本邦のリンパ浮腫患者数は推定約25万人で、毎年6千人程度が発症していると言われています。治療は、弾性着衣や包帯などで圧迫する保存療法(複合的理学療法)と手術療法に分けられますが、基本的には保存療法が主体です。しかし、的確な診断方法や治療効果を評価する方法がなく、保存療法や手術療法のエビデンスレベル(治療の信頼度)は高くありません。
一方、むくみの程度・部位は一人一人異なります。同じがん手術を受けてもリンパ系の障害範囲が異なること、年齢や仕事などの生活環境、体重や静脈系の障害、栄養状態などからも影響を受けることが理由です。早期診断が難しくむくみに気づいた時には病期が進行している事が多いです。治療の信頼度を上げるには、一人一人のリンパ系障害の範囲を治療前に詳細に評価し、それに合わせた最適な治療方法を選択することが鍵で、早期診断も同様です。
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