センターについて

先端リンパ浮腫治療センターについて

提供する医療のコンセプト

  • 岡山大学と連携した科学的理論に基づく医療
  • 保存療法を軸とした、オーダーメード医療
  • 持続可能な医療

 本邦のリンパ浮腫患者数は推定約25万人で、毎年6千人程度が発症していると言われています。治療は、弾性着衣や包帯などで圧迫する保存療法(複合的理学療法)と手術療法に分けられますが、基本的には保存療法が主体です。しかし、的確な診断方法や治療効果を評価する方法がなく、保存療法や手術療法のエビデンスレベル(治療の信頼度)は高くありません。
一方、むくみの程度・部位は一人一人異なります。同じがん手術を受けてもリンパ系の障害範囲が異なること、年齢や仕事などの生活環境、体重や静脈系の障害、栄養状態などからも影響を受けることが理由です。早期診断が難しくむくみに気づいた時には病期が進行している事が多いです。治療の信頼度を上げるには、一人一人のリンパ系障害の範囲を治療前に詳細に評価し、それに合わせた最適な治療方法を選択することが鍵で、早期診断も同様です。

 当院は、2012年に岡山大学と連携し、本邦では稀な入院が可能な先端リンパ浮腫治療センターを立ち上げ、保存療法と手術療法(リンパ管静脈吻合術や脂肪吸引術など)を数多く実施してきました。ここ数年の特徴は、岡山大学品岡医師による世界初のリンパ系の解剖研究を軸とし、上肢下肢のリンパ系障害の詳細な評価を治療前に行い、それに合わせた治療(科学的理論に基づく医療)を提供し始めたことです。むくみに気づいていなくても、早期のリンパ系障害の診断も可能です。その結果、一人一人で保存療法が異なり、手術療法も術式や部位が違ってきますオーダーメード医療)。

 総合的で科学的な医療を目的とし、岡山大学と診断治療の役割分担をしています。岡山大学では主に検査と手術を実施し、当院では保存療法と脂肪吸引術が主になります。
センターの主体は保存療法です。弾性着衣や包帯などの圧迫には、一人一人の診断と症状を見つめたきめ細かな調整と外来通院が必須です。専門の理学療法士・作業療法士の人数が全国屈指の当院では、各患者様に応じた最適な保存療法を提供しています。一方、生活環境や医療環境の理由で、通院できず治療が曖昧になったり持続できない場合には、患者様やご家族の方と相談し、環境に適した持続可能な医療の提供に留意しています。

 全国のリンパ浮腫で悩まれる多くの方々に、適切な医療を提供するのが我々の思いです。

先端リンパ浮腫治療センター長
木股敬裕

スタッフ紹介

主たるスタッフ

木股 敬裕

先端リンパ浮腫治療センター長
岡山大学名誉教授
岡山大学形成再建外科特命教授
日本形成外科学会名誉会員
日本リンパ学会常任理事
本リンパ浮腫治療学会理事

土持 茂之

救急部長
透析室長

品岡 玲

岡山大学学術研究院医歯薬学域領域
むくみを科学する先進リンパ学講座教授
日本リンパ学会理事
日本リンパ浮腫治療学会評議員
日本リンパ浮腫学会評議員
光生病院非常勤医師

林 優子

岡山大学病院形成外科医師
光生病院非常勤医師

三宅 一正

先端リンパ浮腫治療センター 副センター長
リハビリテーション課 技師長代行
認定作業療法士
リンパ浮腫保険診療士
日本リンパ浮腫学会評議員
日本がん作業療法研究会理事

名生 真由

作業療法士
リンパ浮腫専門療法士

野口 千夏

理学療法士
リンパ浮腫専門療法士

森 瑶

作業療法士
リンパ浮腫専門療法士

矢延 沙織

理学療法士
リンパ浮腫専門療法士

藤田 佳子

理学療法士
リンパ浮腫専門療法士
(座学・基礎実技終了)

菊池 亜希子

作業療法士
リンパ浮腫専門療法士
(座学・基礎実技終了)

岡崎 若菜

理学療法士
リンパ浮腫専門療法士
(座学・基礎実技終了)

荒木 千恵

看護師

今井 友美

看護師

佐野 昭恵

看護師