リンパ浮腫集中排液治療の効果と現状
第13回 ツキイチコラム

光生病院リンパ浮腫治療センター 副センター長
作業療法士 三宅 一正


リンパ浮腫集中排液治療の効果と現状

当センターは日本では数少ない入院における集中排液治療が行える施設です。
集中排液治療の効果としては周径の減少に合わせ体重も減少し、効果的な体外への余剰リンパ液の排液が行えます。
2014年からの当院入院患者様の統計(214名:平均年齢66.8歳)では、2週間の入院における集中排液治療で、下肢リンパ浮腫では患肢のリンパ液の体積が平均1500ml減少、体重でも2,4㎏の減少が行え。上肢リンパ浮腫でも患肢のリンパ液の体積が平均500ml減少、体重も0,9㎏減少することができています。
しかし退院後の自分でのケアでリバウンドしてしまう方が6.1%(12名:平均年齢82.1歳)であり、そのうち3.7%(8名)は介護サービスや家族の介入により良い効果が得られています。


続発性左下肢リンパ浮腫


圧迫療法の負担軽減と新商品

日中は良好な状態を維持するのに過不足のない弾性着衣を装着し、夜間はストレスを軽減できるように、患肢の状態に応じ簡易な圧迫療法を紹介できるようにしています。ご自分で圧迫できない方でも介護サービスやご家族の協力により、集中排液後の良い状態を在宅でも維持していけるように、ひとり一人に合わせたリンパ浮腫治療を提案していきます。

診察時に新商品の試着や着圧測定等できますので、リンパ浮腫専門外来受診時に、ご相談ください。

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