魔法の手
第9回 ツキイチコラム

光生病院 看護部長 大本 明美

今や世の中はIT化真っ盛り。
医療業界もデータから病気をより速く精密に分析できるようになり、機械的な医療は目まぐるしく進歩しています。
しかし病院も社会も人々も効率性や利便性の追求ばかりで何か心の豊かさが失われている気がします。
そこで、私は誰かの役に立つ医療人の存在として他の人々とのつながりを求めて「魔法の手」について考えてみたいと思います。

こんな先進医療の時代の中で「手?」と古臭いと思われるかもしれませんが・・・。
こんな時代だからこそ、人間の手によって作り出される業(わざ)は美しく、色々な思い、特に優しさを伝える一番の手段だと思うのです。
手は自由自在です。支えたり、持ったり、抱えたり、握ったり、挟んだり、触れたり、押したり、なでたり、揉んだり、叩いたり、つかんだり、動かしたり、話したり・・・。
本当に人間の手はいろいろな仕事をする優れものであり、病院では患者様の治る力を引き出す看護や介護の力の源になります。まさに魔法の手。

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