
概要
当科では、地域医院や歯科医院からご紹介頂いた患者さんの親知らずの抜歯など口腔外科処置や、外傷、口腔感染症など救急治療、舌痛症・味覚障害など口腔内科疾患の治療を行っています。また入院患者さんの口腔機能管理も行っています。岡山⼤学教授による外来診療時間も設けております。

コロナ対策
口腔外科手術は歯や骨を注水下で削合するため、エアロゾルが発生しやすい診療科といえます。学会等で推奨される新型コロナの標準的予防策をとっており、外来受診時に問診で全身状態を確認させていただいております。
下記に該当する方の外来受診、予定手術は制限や延期させていただきます。流行状況によって対策を変更させていただきます。
※当科受診時にご本人が歯科疾患に由来する以外の発熱(37.3度以上)や咳がある場合。同居人が発熱・咳や隔離を要請されている場合。
診療内容
口腔外科治療
- 顎骨内の治療:埋伏智歯、顎骨嚢胞、外傷、口腔感染症(蜂窩織炎、薬剤関連顎骨壊死、歯性上顎洞炎)
- 智歯(親しらず)の抜歯など顎骨内外科治療を行っています。 智歯抜歯は歯肉切開と骨削合を伴う外科処置で、患者さんごとに歯や骨の状態、周囲の神経や血管の解剖の把握していることが要求されます。初診時はレントゲン撮影と治療の説明を、2度目の受診時に抜歯を行います。難抜歯が予想される場合や、抜歯に強い恐怖感のある患者さんには、鎮静下での処置や全身⿇酔下での処置をご提案します。鎮静・全身麻酔の場合には入院が必要で全身麻酔では2泊3⽇を標準プランとしていますが、鎮静では1泊2⽇(手術当日入院、翌日退院)のプランをご提案いたします。
- 粘膜(軟組織)の治療:腫瘍、嚢胞、口内炎、外傷、唾石症、血管腫
- 粘膜で覆われた舌や歯肉、頬など口の中の柔らかい軟組織は、内側に血管や神経、筋肉、脂肪、唾液腺、骨などが存在しています。この口腔粘膜には、口内炎、嚢胞、良性腫瘍などさまざまな病気が生じ、口腔癌のこともまれにあります。病状・処置内容によっては迅速に岡山⼤学病院(三次医療機関)にご紹介する体制をとっています。

口腔内科治療
舌痛症、顎関節症、三叉神経痛、味覚障害、口腔乾燥症、医科歯科連携が必要な口腔症状全般
口腔内科とは、全身的背景を考慮した口腔疾患の診断と治療を目的とし、外科的な治療を主体とせずに口腔医療にあたるものです。当科では、全身的疾患や投与薬剤に関連する口腔内症状があれば、医科と迅速に連携し医師の診察治療が行われる体制をとっています。
※口腔症状を契機に診断にされた全身疾患の例:特発性血小板減少性紫斑病、プランマービンソン症候群、運動ニューロン病、メトトレキサート関連リンパ増殖疾患、悪性リンパ腫、中枢性舌咽神経痛など
周術期口腔機能管理
周術期(手術前後、化学療法中、緩和治療期)における口腔ケア(口のお掃除や全身⿇酔時の歯のプロテクター作成)
周術期は体の抵抗力低下などにより、誤嚥性肺炎など口の中の細菌が体に影響する合併症のリスクが高まるため、通常時よりも特に口腔ケアが推奨されており、当院入院中の患者様への口腔機能管理の計画と実施を行っております。なお、退院後も必要な口腔管理を続けて受けられるよう、病状やご家庭の事情に合った地域歯科医院の紹介をご提案させていただいております。

有病者歯科治療
投薬治療中の患者さんの治療
投薬内容や全身症状を考慮した歯科治療の計画をご提案します。ご事情に合わせて入院下での治療も行います。
骨吸収抑制薬投与患者さんの歯や顎骨の診断と治療
骨粗鬆症の患者さんなどが服用される骨吸収抑制薬(骨吸収を抑えて骨を強くするお薬)は、悪い歯があると顎骨の感染症(薬剤関連顎骨壊死 :下写真)になることがあります。当科では、お薬を開始する方、すでに服用している方、過去に服用していた方を対象に、当院医師からだけでなく地域の歯科医院や医院よりご紹介いただき、現在のお口の診断と今後の方針をご提案いたします。また将来的に顎骨壊死が発症した場合にもスムーズに治療が受けていただけるよう、かかりつけ医との連携体制をとっています。
老人保健施設への訪問歯科診療
当院附属老健施設に入居されている方の、口腔ケアや歯科治療を往診で行っています。
その他
顎義歯、睡眠時無呼吸症候群用マウスピース、救急治療
インプラント治療は専門医による検査や治療相談を行います。治療によっては岡山大学病院にご紹介しております。急な口腔内の腫れ・感染症、出血、口腔内外外傷について、地域歯科医院を通じて救急対応をお受いたします。
設備
感染予防対策
口腔内で使用するは、滅菌処理したものや使い捨て製品を使用しています。診療チェアーについた吸引器等付属器機は患者さんごとにビニールで被覆し、椅子などは消毒薬で清拭するなど標準的感染予防を徹底しています。エアロゾルが発生する処置を行う場合には口腔外バキュームを使用しています。
医療内容説明動画
医療者側からの説明は患者さんにとってわかりにくいことがあります。当科では一部の治療に関する内容説明に、オリジナル動画を補助的に使用し、患者さんに理解を深めていただくようにしています。
医師紹介
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柚鳥 宏和 ゆとり ひろかず
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山田 庸介 やまだ ようすけ
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