
診療内容
たかが皮膚病、されど皮膚病
皮膚疾患の病名の数は、1,000とも2,000とも言われており、多種多彩な病気が知られています。かぶれやアトピー性皮膚炎などの湿疹・皮膚炎、蕁麻疹群、多形滲出性紅斑などの紅斑症、薬疹、水疱が次々できる自己免疫性水疱症、掌蹠膿疱症などの膿疱のできる病気、タコや魚の目などの角化症、乾癬に代表される炎症性角化症、汗腺や毛など附属器の疾患、皮膚の血管が侵される病気、やけどやしもやけなどの物理化学的皮膚障害、皮膚に種々の物質が貯まる代謝異常症、しろなまずなど皮膚の色が変わる病気、細菌・真菌・ウイルスなどによる感染症、皮膚の良性・悪性腫瘍、強皮症やエリテマトーデスなどの膠原病などなど、思いつくままにあげてもいくらでも出てきます。
日頃の皮膚科外来診療では、水虫、かぶれ、虫さされなど、ありふれた病気がほとんどですが、悪性黒色腫(ホクロの癌)や天疱瘡など、まれな病気ではありますが、治療が遅れると命にも関わる病気もありますから、われわれ皮膚科医は、数多くの皮膚病にある程度精通していなければなりません。
ちょっとした皮膚の発疹には、自宅にある適当な薬を塗ってみたり、それで良くならないと薬局で薬を買ってつけてみたり、それでも良くならないと、かかりつけ医(皮膚科医でない)に相談したり、さらにそれでも良くならないからと、やっと皮膚科を受診するという人は少なくありません。ちょっとした皮膚病でわざわざ皮膚科を受診するのも、と考えがちですが、最初から皮膚科を受診していれば不必要な塗り薬を買う必要もなく、すぐに診断がついて早く治ってしまいます。医療経済的にも非常に安く済みます。
かつて、地方の病院に勤務していた頃、「皮膚科が手術をするの?」、「皮膚科で膠原病をみるの?」などと質問され、皮膚科専門医として非常にショックを受け、がっかりもし、また一方ではカチンと頭にきたこともありました。皮膚科医は発疹の状態から、内科的疾患も含めて全身を診るように訓練された医師です。年齢性別に関係なく、熱があろうとなかろうと、皮膚や目に見える粘膜などに何らかの異常が出れば、いつでもまず皮膚科を受診してほしいと思います。気軽に受診・ご相談いただければと思います。
医師紹介
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多田 讓治 ただ じょうじ
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