〜透析液清浄化が必要な理由とは〜

近年の主流として透析治療にもちいられているダイアライザー(人工腎臓)は
high flux膜の使用がほとんどです。それは、透析合併症の透析アミロイドーシスの
原因物質の一つと考えられるβ2-MG(分子量11800)を除去ターゲットとしている
ためです。 β2-MG等の低分子量蛋白の除去性能を高めるにはダイアライザーに
空いている穴(細孔径)を大きくする必要があり、それがhigh flux膜ダイアライザー
です。このダイアライザーの特徴として血液側から透析液側へ小分子量物質から
低分子量蛋白の除去性能が大きくなる一方で、透析液側から血液側への物質移動も
起こりやすい状態になっています。

透析液清浄化の臨床効果は   
1.手根管症候群の発生頻度の減少   
2.血清β2-MG濃度の低下   
3.血清CRPの低下   
4.血清アルブミン値の上昇   
5.貧血の改善                   などが報告されています。


〜超純水透析液を供給し続けるために〜

①透析液水質管理体制の確立
当院では透析機安全管理委員会を設置し、透析液水質管理・患者監視装置保守を
管理しております。水質管理は毎月エンドトキシン(ET)、細菌測定を行い
清浄化の確認を行っております。

②消毒剤毎日封入洗浄
過酢酸系透析装置専用除菌洗浄剤「ステラケア《を使用し、毎透析終了後に封入洗浄を
行っております。封入洗浄することで消毒効果を持続させ、より清浄化された配管と
なります。 また、朝、透析液配管の水洗を90分、透析液準備を30分として封入による
薬液残留を防止しています。

③次亜塩素酸Na極低濃度洗浄 東レ社RO装置の特徴、RO水ライン洗浄を週1回行っており、
透析液配管だけではなくRO水作成時点からの消毒を行い、細菌繁殖を抑制しております。

④もし汚染された透析液が供給されても…
RO装置タンク後に2つ、透析液供給装置後に2つ、患者監視装置に2つ直列でフィルターを
装備させ、汚染された透析液が供給された場合でもシャットアウトできるようなシステムを
構築しております。またそのフィルターについても圧、漏れなどをチェックし、交換推奨
期間で交換を行っております。

⑤カプラへのこだわり
カプラとはダイアライザーと患者監視装置との接続物でここが汚染されている状態だとせっかく清浄化された液を作成しても意味がなくなってしまいます。当院では、患者監視装置計30台中27台はクリーンカプラで従来カプラで菌の温床原因となっているOリングの使用がないものが採用されており、毎日の消毒洗浄で清浄度を保っています。また残り3台のOリングを使用せざるえないカプラについては3ヶ月に1度カプラ消毒を行い、Oリング新品への交換、カプラ内部の消毒洗浄を臨床工学技士にて行い、清浄度を保っています。