神経回復センター

DBSの長期成績

DBSの長期成績と治療の限界

長期効果については、術後5年間のfollow-upによる二つの大きな前向き研究があり*8*9、薬物off時の振戦、固縮、寡動(動作の緩慢)について改善が維持され、薬の投与量も減少したままでした。DBSのパーキンソン病運動症状に対する効果は長期的にも維持されています。

DBSの薬物off時の運動症状改善は効果が高いものの、薬物on時においてはL-dopaの効果を超えるものではありません。またDBSが運動症状に対して、L-dopaとほぼ同等の効果を有する一方で、L-dopa耐性症状に対してはL-dopa同様に効果が減弱してしまいます。

進行期において構音障害(発話が正しくできない)、歩行時のすくみ(第一歩目がでにくい)、姿勢反射障害(バランス障害)などL-dopa耐性症状が前面に出現するような場合、DBSの効果も不十分となります。

また、非運動症状に関しては、一部の非運動症状(睡眠異常、薬物off時の疼痛)の改善は認めるものの、通常非運動症状に対する効果は乏しいです。術後L-dopaの過度の減量により、うつやアパシーなどをきたしやすく、これらは一過性であることが多いですが、QOL低下の原因になるため、薬物治療とDBSの微妙なバランスを保ちながら慎重に調整する必要があります。



*8 Krack P, et al: Five-year follow-up of bilateral stimulation of the subthalamic nucleus in advanced Parkinson’s disease. N Engl J Med 349:1925-1934, 2003
*9 Schüpbach WM, et al: Stimulation of the subthalamic nucleus in Parkinson’s disease: a 5 year follow up. J Neurol Neurosurg Psychiatry 76: 1640–1644, 2005

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