乳房再建術について - 光生病院

QOLの向上を目指して。乳房形成

乳房再建術について

乳房再建の手技には基本的に3通りの方法があります。

1.自分の組織(自家組織)を用いる方法。(2.具体的な方法−A参照
2.人工乳房(インプラント)を使用する方法。 (2.具体的な方法−B①参照
3.エキスパンダー(医療用風船)を一時的に使用する方法。 (2.具体的な方法−B②照

あなたが受けられた乳がん手術の大きさ、残存した組織の量、健側の乳房の大きさ、さらに体型や職業等まで考慮しながらどの方法で手術を行うのが最良か決定します。
(※当院で行えるのは、上記の2と3のみです。1の自家組織を用いる方法は行えません。)

また、乳房切除術と同時に行う一次再建と、分けて行う二次再建とがあります。
以下に、各々の方法について説明します。

1.手術時期と方法の比較

  一次再建 二次再建
手術回数 1回少ない 2回以上
手術時間 長い 1回ごとの手術時間は比較的短い
心理的負担 乳房の喪失感が少ない
手術までに考える時間が少ない
乳房喪失の時期がある
手術までにじっくり考えることができる
費用 保険適応
(※2回目インプラント使用時は自費)
インプラントの場合のみ自費
それ以外は保険適応
入院期間 10日
〜2週間程度
人工物:3日前後
自分の組織:10日〜2週間程度

自家組織 人工乳房(インプラント)
手術時間 長い(「具体的な方法」参照) 短い(「具体的な方法」参照)
身体への負担 手術侵襲は比較的大きいが、自分の組織であるため長期的には安全 手術侵襲は比較的小さいが、異物であるためアレルギーなど副作用もある
適応 すべての症例に対応できる。 もとの乳房が下垂していない方が適応。
大胸筋が温存されている場合が適応。
放射線治療後の方はリスクを伴うことがあるため、要相談。
費用 保険 自費
入院期間 10日〜2週間程度 4〜5日程度(要通院)

2. 具体的な方法

A. 自家組織を使用する方法 (※当院では行っておりません)

①広背筋を用いる方法

背部にある筋肉(広背筋)とその上の皮膚と脂肪を使って乳房をつくります。
あまり脂肪が厚くない部位のため、大きな乳房の再建には向きません。
再建にかかる時間は約4〜5時間程度です。


②腹部皮弁を用いる方法(腹直筋は温存)

腹部の皮膚と脂肪を栄養血管とともに採取し、乳房をつくります。 この方法では栄養血管を一度切り離すため、顕微鏡下に血管をつないで血流を再開させる必要があります。
この手術には高度な技術が必要とされ、限られた施設でしか行うことができません。
この方法では腹直筋の犠牲が最小限となるため、術後の腰痛や、ヘルニアなどの問題が少なくてすみます。 おなかの厚い脂肪を用いることができるため、大きな乳房をつくることができます。 また、おなかを引き締める効果もあります。
再建にかかる時間は6〜7時間程度です。
※ おなかをひきしめるため、術後3カ月間は腹帯あるいはガードル装着をお願いしています。
血流安定と合併症を防ぐため術前から禁煙を厳守してください。

B. 人工物を使用する方法

※シリコンインプラントを用いる場合には自費診療となり、混合診療が問題となることがあります。詳しくは医師にお尋ねください。

①人工乳房(シリコンインプラント)挿入法(1回法)

人工乳房を覆うための十分な皮膚と大胸筋がある場合に適応になります。
手術時間は1時間前後です。


②ティッシュ・エキスパンダー(医療用風船)を用いる方法

まずティッシュ・エキスパンダーと呼ばれる医療用の風船を挿入し、生理食塩水を注入することで徐々に皮膚を引き伸ばします。数か月おいてエキスパンダーを抜去し、シリコンインプラントあるいは自分の組織に入れ替えます。エキスパンダーを入れるのにかかる時間は1時間程度です。 一期再建でも二期再建でも使用することが可能です。ただし、シリコンインプラントは一期再建では使用できません。 また、大胸筋が残っていない場合には使用できません。